
土染め
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〜土から生まれ、土へ還る染め ー ベンガラ〜
遥か昔、人類が最初に出会った赤。それが「ベンガラ(弁柄)」です。
鉄が酸化することで生まれるこの天然の赤色は、1万7千年前のスペインやフランスの洞窟壁画にも見られ、
日本でも縄文時代から陶器や建築、生活の道具に使われてきました。
「ベンガラ」という名は、インドのベンガル地方に由来し、江戸時代に中国から朝鮮半島を経て沖縄へと
伝わったとされています。
日本の暮らしとともに在り続けたこの土の色は、今もなお、私たちの生活を静かに、力強く彩っています。

ベンガラ / 土染め
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〜やさしく、つよい。自然とともに生きる染料〜
IROSで使用しているベンガラは、土から採れる天然鉱物を微粉末にした、人と自然に無害な染料です。
火を使わず、ほんの少量の水で染めることができ、排水も自然に還る成分で構成されています。
だから、土に還る染料と呼ばれています。
その優れた効能は、ただの染め物にはとどまらず、染め物という枠をこえて、
私たちの暮らしを支えてくれています。
・紫外線に強く、退色しにくい。
・UVカット機能で繊維を守る。
・防虫・防カビ・耐熱・耐光・耐水性・耐酸性・耐アルカリ性
という、多機能な天然素材。
自然からもらい、自然に返す。
それは、現代に求められる持続可能なものづくりの姿でもあります。

〜土とともにある色、ベンガラ。自然の力で生み出された色を世界へ〜
その深い赤、やわらかな茶、渋みのある黒や黄。
大地が見せてくれる無限の表情は、どこか懐かしく、どこか新しい。
日本人の美意識の中に根付く「侘び寂び」と呼応する、静かな強さがあります。
IROSは、この伝統と美しさを現代の暮らしの中へ届けることで、「土で染める」ことの意味を、
もう一度見つめなおしていきたいと考えています。