先日、“古色の美”さんへ土染めの技術を学びに行ってきました。
教えてくださったのは、代表の小渕さん。
IROSを立ち上げた頃からの師であり、今でも学ぶたびに視界が開けるような気づきがあります。
今回も、染めの奥行きと、手を動かすことでしかわからないことの連続でした。
手を動かして見えたもの
今回教えていただいたのは、次の4つの染め技法。
それぞれが全く違う表情を持っていて、手に馴染ませるだけでも何度も試行錯誤が必要でした。
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タイダイ染め(稲妻柄)
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ヒッピー染め
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輪っか染め
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板締め絞り(麻柄)
どれも、ほんの入り口をなぞっただけ。
けれどその中に、IROSらしい“色”や“にじみ方”のヒントをいくつも見つけられた気がします。
染めの記録(ざっくり)
タイダイ染め(稲妻柄)|Tシャツ
Tシャツを均等に丸めて、輪ゴムで縛る。
そこに薄い染料を染み込ませていく作業を、段階的に濃くしながら3回。
“クラック”と呼ばれる折れ目やスジの部分に、あえて染めを入れる・入れないのコントラストを意識しながら、稲妻のような柄を描いていきます。
ヒッピー染め|Tシャツ
まずは全体を一色で染めてから、中心からねじるように巻いて輪ゴムで固定。
そのあと、外側から色を足していくことで、広がりのある柄が浮かび上がってきます。
思っている以上に偶然性が作用する染め方でした。
輪っか染め|手拭い
手拭いの数カ所を突起状にして輪ゴムで留め、その突起部分に染めを加えていく方法。
色のバリエーションやタイダイ・ヒッピーの手法を掛け合わせることで、遊びの効いた柄になります。
実験的な要素が多く、自由度の高い技法です。
板締め絞り(麻柄)|手拭い
三つ折りにした手拭いを正三角形の形に折り進め、木型で挟んで万力で固定。
そのうえで、筆を使って染料を丁寧にのせていくと、麻の葉のような幾何学模様が浮かび上がります。
最後に水気をしっかりとって完成。思わず見惚れる美しい仕上がりでした。
最後に
こうして言葉にしてみると、簡単なようにも聞こえるかもしれません。
でも実際には「どう染めるか」よりも、「どう感じるか」が問われる時間。
色の入り方ひとつで、表情がまるで変わってしまうからこそ、技術を磨く意味があります。
IROSが大切にしたいのは、染めの“深さ”より“にじみ”。
今回の学びもまた、そんな"らしさ"の根っこを探る一歩だったように思います。
今日学んだ技術を皆さんにも楽しんでいただけるように、新製品やワークショップのメニューとしてこれらの技法を落とし込みたいと思います。
次回の更新も、どうぞお楽しみに!
Hisashi